雲英がそう言って、光をぶとうとしてしると……

「煩いんだけど」



古い建物の窓から少年の声がした。


雲英と光が同時に上を見上げると、そこには、超!美形の少年がいた。
その少年には光派の美少年ではなく、榊のような、大人っぽい格好良さがあった。


その顔を見た瞬間、雲英がたじろいだ。

「雲英?」

「コイツ……」



「やっぱり。声からして如月だと思ったよ」


「知り合いか?」

光は不思議そうに雲英と少年を見ている。

「知り合いも何も、従兄弟だよ」


少年は平然と言った。

「いいい、従兄弟おぉぉお!!?」

「光、驚きすぎ」


その少年の名前は、


木更津 秀-kisarazu syu-

中学一年生。
学力は上の上。

雲英の従兄弟。


「如月、あがってくか?」

「そのつもりで来たの。ほら、光、いつまで固まってるの」



そういって雲英は光を引っ張って中へ入った。

古くさいにおい。

柱にはたくさんの依頼書、データなどか貼ってある。



中には5人の少年少女がいた。

「何あのひと、超かっこいい!」

そのうちの一人がそんなコトを言ったが、光は気にしなかった。



古ぼけたソファーが三つ置いてあった。



そこに、丁寧にたたんだ布巾が二枚置いてあったのを雲英は見逃さなかった。