陽、


あたしアンタのこと大嫌いだったんだ。



他人に興味ないって顔して自由気ままに振る舞って、


無愛想で口が悪くて、人を見下した、


そんなアンタが大嫌いだった。


そういえば陽も最初はあたしのこと大嫌いだったんだっけ？



まるで水と油みたいな関係だったんだね、あたしたち。



だけど、


アンタの抱えてる過去や寂しさを知ったら悪いヤツだとは思えなかったんだ。



本当は人一倍優しいから、そのぶん人一倍傷付きやすくて、寂しかったんだよね。


認めてほしかったんだよね。



こんなこと言ったら変なこと言ってんじゃねぇって怒られるかもしれないけど…本当はスゴくいいヤツなんだよね。


なんだかんだ言って自分のことは差し置いて旭のこと心配してるしさ。


大好きじゃん、旭のこと。


知ってんだから。




ねぇ、陽。



前に女の子たちから助けてくれて、お姫さま抱っこしてくれたとき、結構うれしかったんだよ。


あたしの様子が少しでもおかしいと「大丈夫か？」っ気にしてくれる。


見掛けによらず心配性だよね。