「でも!透さん達ってば、
『金払ってんだから、
技は鷹尾に見てもらえ』って、
コツしか教えてくんないん
だもんっ」

・・・アイツら、らしいな。

人の師弟関係には
口だししない・・・か。

それって、返せば
自分らの師弟関係にも
踏み込むなって事だかんな。

・・・体育会系バンドめ


「お疲れ様です。
七海ちゃん、どーしたの?」

半ばパニック状態の楽屋に
真月と啓太が顔を出す。

「真月ちゃんっヤバイ!!
キンチョーするっ」

「ああ、それで喚いてんの?
疲れるよ?」

真月に、頭をぽんぽんと
撫でられて、七海は、
ちょっと落ち着いた様だ。

しっかし・・・

「何?鷹尾センセ」

俺の視線を感じて、
真月が笑みを向ける。

「いや、別に。
後は、任せた。」

・・・まさか
七海と揃いの衣装なのに、
なんでそんなに
エロく着こなすんだ?って、
思ってました・・・なんて

啓太と七海を前にして、
言えるはずがない。


「了解。
二人とも頑張ってたから
大丈夫だよ。」

言って
彼女はニッコリ笑った。