『樹里、鍵返しそびれたよ。
ゴメンね』

打ち上げ終了後、帰宅途中に
真月から届いたメール。

『まだいいよ。
もう一個ライブあるじゃん。
おまえ、忙しいだろ。』

ホントは、
あげるから持ってて
・・・って
言いたかったんだけど。


言えなかった。


だって・・・

まだ

いうべき事も
言ってないから。

真月なら、順番なんて
気にしないような
気もするけど。


俺も通常は、気にしないけど。

今回だけは
案外、こだわってる。


二年という月日は

真月にとって
どんな時間だったんだろう?

長かったのか?
短かったのか・・・・


俺にとっては
長すぎた。

待ち焦がれた事を
忘れるくらいには
長かった。


でも

忘れ切れないほど
熱かった。


この腐るほどの期間

真月の記憶の中に

俺の事は、
ちょっとくらいは
残っていたのだろうか?