「鷹尾君?」
目の前にヒラヒラと
なにかが揺れ、はっとする。
「最近、妄想ひどいよねぇ。
この間飲みにいった時も
何か悶々としてたでしょ?
なんか悩みあんの?」
真月が俺の前に
膝を抱えるように座り
みあげる。
ええ・・・悩んでますよ?
真月が気付いて
くんないから。
生殺しな格好してくるから、
喉から手が出そうだしさ。
好きだって言ったら
どんなに楽だろう。
付き合ってって言えたら
どんなに楽だろう。
断られたって
今の、この、悶々とした
状況からは脱出できる。
「もしぞや・・・。
恋のお悩みかしら?」
彼女がニッコリ笑って言う。
「もし、そうだったら、
相談にでも乗ってくれんの?」
「やだよ。
私、そういうの
苦手だもん。」
勢いで言っちまおうかと
言った言葉は見事に
ぶったぎられる。
「だったら、合鍵かえさなきゃ
マズイよねって思って
聞いたんだもん。」
「返さなくていいから。
真月、持ってて。」
ここまで言えば、
普通わかるだろ?



