しっ・・・心臓、吐くっ!


携帯電話にかけてんだから、
本人がでんに決まってんのに、
コールの間、重圧が
とまらない。


『はい?』

ちょっと、びっくりしたような
真月の声

・・・俺、
何をいうつもりで
かけたんだよ・・・

いいわけになるような
理由なんてないぞ。


『鷹尾君でしょ?
どうしたの?』

「あ・・・。なっ・・
何となく・・
声が、聞きたく
なったかも・・・」

シドロモドロになりながらも
言葉をつなぐ。

電話の向こうで、
彼女がクスッと笑った。

『酔ってんの?
ずいぶん、素直だね。
良い傾向♪』

「・・・」

『そだ。聞き忘れてたの。
衣装って、
何か、指定あるの?』

衣装持ちの真月だからこそ、
こんな直近なタイミングで
済むけど。
普通もっと早く聞くだろっ。


けど、それって

俺好みにしてくれる
訳だよな。


んぢゃ・・裸


とか、ガキみたいな
冗談をいいかけた。

が、
彼女の肌を、身体を
他の男に・・・客にも
みせたくはない。