「じゃあ、頑張るから
もうちょっと、鍵、
貸しておいてね。」

駅まで送ってくれた彼に
そう、つげた。

なんか、言いたいことを
飲み込んだ風な彼を見て
吐かせるべきか、
流すべきか一瞬考えて

気付かない振りを
決め込んだ。


オレンジの髪に
ながらく
お日様に当たってなさそうな
真っ白で華奢な身体

うちの会社には
いないタイプだ。


Tシャツから伸びた
細身の腕

正確なプレイをする指

私の方が、筋肉質で
男勝りかもしれない。


その、彼の後ろ姿が、
彼の出す音と被って感じた。