「透達と飲みに行くときって、
どんな話すんの?

やっぱ、音楽?」


ライブ直前の音合わせを終え
機材を直しながら、
聞いてみた。


なんか、こうやって
練習やってる時は
真月は、オンナにみえない。

オン・オフの
きっちりした奴だと思う。

仕事と趣味を
分けてる姿にしてもそうだし。


何より・・・
オフん時は・・・

フェロモンを異常に感じる。

どれが、本当の彼女か
わかんなくなってくる。


透達って、その辺
どう考えてるんだろう?
ってのもあるし・・・
単純に興味から聞いた。


「そうねぇ・・・
うち、みんな仕事違うけど、
なんかグダグダ色々話すよ。」

「俺らの・・・講師の
話ってしたりすんの?」

「ああ、狩野センセの話は
よくするよ。
師弟関係築き上がってるから、
おもしろいよね。
楽器学科って。」

真月は、何を思い出してか、
面白そうに笑った。

「なんだよ。その笑いわ。」

どーせ、俺の
厭味かなんかだろう・・・?


「思いだし笑いだよ。
あ。そだ。透がね、
ライブ見に行くから
チケットちょうだいって。」