音楽をやってる人間にとって、
たまらない話じゃないっ?

いわば、
音楽で食ってる人から、
依頼を、ほのめかされる
なんてっ


そんな有頂天な気分を
鷹尾君は、
ことごとく砕き散る。

「ほらっ!真月ッ!
早くこいよっ!」

こちらを振り返りながら
呼び付けた。

「はーい。

んぢゃ、センセ行くねっ」

「おうっ。

わかりやすいな。
鷹尾君は。」

堂野センセは、
ケラケラ笑って、
右手をちょっとあげた。


 
「真月、入って。」

扉を開いて。


鷹尾・・・今って、
センセでいいよね?

私の肩を軽く押して、
彼は入室を促す。


そこにいたのは、
高校生の男の子と女の子

「お・・・
お疲れさまで・・す。」

想定外の若さに目眩がした。




「おーっ!!センセ!
でかしたっ!!」

「やったー!!
エロいおねえさんたーっ!!」

二人の絶叫が炸裂する。


「えっ・・エロいって」

私より先に反応した鷹尾君に、
思わず苦笑した。

ライブの衣装の事、
ゆってんだよね。
彼女は。