「センセ?どうしたの?
大丈夫?」

考え耽ってた自分を
彼女が引き戻す。

「えっ?何だっけ・・・?」

「何って、先生が、
指輪の事、聞いたんでしょ?」

彼女は苦笑する。

別れたけど、
モノに罪はないからしてるって
言ったのに、やたら無言だから
見ればトリップしてるし・・・
って、言って。

「プラチナ台座の、
ダイヤ、ルビー、サファイヤは
いつでも歓迎してるからね。
よろしくぅ〜♪」

彼女は笑って
譜面を片付ける。

「何で俺が買うんだよっ」

そんな
照れ隠しをしてしまったが、
明らかにココは、
『そのうちな』とかいって、
次に繋ぐべきだっただろう。

即刻、後悔が襲う。


コイツといると
なんで、こうも
ペースを狂わされる?


「センセ、いつも、
ああいうの聞いてるの?
音源に、インスト
はいってたでしょ?」

「うん。まあ、そっかな。
何で?」

俺に興味でも持ってくれた?

「ん?鷹尾ワールドの分析を
しておこうかと思って。
あんまり、今回だけ
掛け離れた事しちゃ、
ダメだし。」

・・・ホント、真面目。