すぐそばにいるのに
スローモーションの様に
見えていて。

やがて彼女は
俺の目の前に立ち
俺を見上げる。

「樹里、ただいま。」

首にチョット衝撃が走り
重心が後ろにかかり
2〜3歩あとずさる。

「おかえり・・・真月。」

なんだか夢見心地で、
俺の首に腕を絡める
彼女をだきしめた。


『帰ってきたら
彼はもう、どこにも
いかないの』

不意に
英語の歌詞の和訳が
頭に浮かんだ。