キミの隣に

 

彼は、私にも
キスしたんだよね・・・

会って間なしの頃


「樹里って、キス魔?」

思い当たった回想に
ひらめいてしまう。


「は?」

樹里は、固まってる。


彼は、今、
何を考えてるんだろう?


「だって・・・」


「ああ・・・あの事か?」

思い出したように
バツのわるそうな目をして
視線をはぐらかせた。


「俺さぁ・・・


知らないだろうけど
ずっと、真月の事見てた。

唇の印象、
やたら残っててね。」


ポツポツと
紡ぐように話し出す。


「二年前、
イベントの打ち上げで、
オマエが何とも言えない表情で
そのリングにキスしてたのも
みてた。


その表情が、
当時の俺がもってた印象と、
あまりにも違っててさ。

淋しそうで。」


そういうの考えてるうちに、
ほしくなっていってね。

そう言って、
樹里の指が、私の唇に触れる。


「思ったとおり、
柔らかかった。

誰かは、噛みやがったけどな。」 

指先が、顎をすくう。

「俺、マジで
真月の事、
追い掛けてたよ。」