「いくなって・・・
そんな事言っても・・・
あと半時間でいくって
ゆっちゃったし・・・」

・・・・

俺が言ってんのは
『今』の、話じゃねぇよ。

調子狂うな・・・。

真月のバカ・・・


脱力して
言葉が続かねぇ。

「ちょっと、マジで
時間なくなるから、
手離して!って。

もお!戻ってくるからっ!」

勘違いしたままの彼女が
そういって。
慌ただしく出ていった。


おかげさまで
何とか話せる状況に
持ち込めそうだった。


例え脱走しやがっても
透から、真月のホテルの鍵は
あずかっている。


どっちにしても
真月には逃げるチャンスは
ないんだな。これが。


・・・

透って頭まわるよな。

これを受け取ったのは
戻ってくる直前の事だった。


アイツに呼び付けられ
約束の時間ぎりぎりに
行った俺に、
カードキーを投げて寄越す。

『それ、真月の部屋の
鍵だから。
俺、約束あるから、
後は自分でどーにかしろ。』

『キーって?!
あいつ、
入れないんじゃ・・・』