楽器いるもん・・・


背に腹は
変えられないん
だもん


さんざん
自分に言い訳をして

樹里の部屋の扉に
鍵を差し込んだ。


「おっ、お邪魔しまぁす。」

なんだか勝手に入るのも
気が引けて、無人の部屋に
声を落とした。

結構、頻繁に通った部屋。

付き合い出してからの方が
断然、頻度が少なかったけど。

キッチンを横目に
防音室のある部屋に向かう。


男の一人暮らしに見えない程
片付いてるんだよねぇ
樹里の部屋って。


例のオンナを思い出す。


片付ける人がいるって所かな。

まあ、いいや。
苦笑が、口元に現れる。


さっさと調整して帰ろっと。

まさか、あの中に
いたりしないよね?


ドキドキしながら
防音室の扉をあけた。