どこで俺のオンナ関係を
ききつけたのか知らないが
この調子じゃ、
あの顔合わせの話は
知れ渡ってんだろうと思った。


『真月にいうなよ。』


そう、啓太と七海に
言い聞かせたのは、
そんなに、アイツが
イタイ女だって
頭もなかったし

なにより、真月に不要な
心配をかけたくなかったから。


でも、多分、

知ってたんだな。


その後、あのバカ女が
いいふらしてくれたおかげで

生徒の間でも
昔関係があった事は
知られてしまっていたから。


学生時代の流れもあって
里奈とも相当やりあってたし。


里奈が怒るのは
わかるよ。


俺達の仕事は
真月や透みたいな
生徒を教えてるって
いえるだけで
腕に信頼がつく。

いわば、奴らは
歩く広告塔だ。


それを奪われたんだからな。

怒り心頭、な、わけだ。

真月が辞めたのは
タイミングからみても
明らかに、あの件のせいで

夏場に、公開プロポーズなんて
やらかした後なんだから
真月は、居づらいに
決まっていて。


俺は
真月を、
ちっとも
楽にしてやれなかった。