「あ。鷹尾先生。

狩野先生から、
伝言あずかってますよ。」

出勤後すぐ、
受付嬢に呼び止められる。


「伝言?」


珍しいな。

大概メールで
連絡くんのに。

封筒を開けて、
中の
四つ折にされたメモを
開けた。


『相談に行けば?』


一言そう書いてあって


透の名刺が、入っていた。


ほんとに・・・


透って、弁護士なんだな。


今更ながらに、思った。


でも
ここには行けない。


生を諦めるほどの
苦言を言われた上
法外な相談料を
とられそうだし。


法律の世話になるほど
こじれてすらいない。


アイツに無用なネタは
一つ足りとも
与えられない。


ただでさえ
結構な針のムシロ
なんだからな・・・


一番厄介なのは、七海だ。

女の勘て奴は
こんなお子様にも
備わっていて。

もう、アイツが
講師できたときから
ソワソワしていたんだ。


『先生、元カノの事
どーこー言って悪いけど
あの女、
気をつけた方がいいよ。

大事なモン、潰されるよ?

随分、質の悪い奴と
いたんだね。』