それは
先日、透と飲みにいった時の
事だった。


『真月、最近鷹尾と
うまくいってんの?』

『うーん。変わらずだよ。』

実際、うまくいってるかなんて
わかんない訳で。

『何で、そんな事いうの?』

『うまくいってんなら
いいんだよ。』

『なんだい?そりゃ。』

気持ち悪いなあ。

『いやぁ、その、なんだ。
師匠が心配してたからな。』
 
『何を?』

意図する事が見えず先を促す。

『真月、もしかして・・・
何も聞いてないのか?
アコギの新任講師の話。』

聞いてないけど・・・

なんだか嫌な予感がした。

だから、一呼吸置いてから
聞いた。


『知ってる事、吐けよ。』

『・・・わかったからさ。
苦しいし、ネクタイ、目一杯
締め上げんな』


透の話では・・・
まあ、彼も狩野先生に
きかされたらしいんだけど

新任の女性ギター講師が
着任したらしい。


・・・が 

『鷹尾の元カノらしい。
なんか顔合わせした時に
微妙な空気だったとか
言ってたな。』