さっきからずっと眠かったから…横になるとすぐに私は眠りに落ちてしまった。 眠りに落ちる直前…大きな手が、優しく…不器用な手つきで、私の髪を撫でた…気がした。 ―――――― ―――― ―― 「今宵は…十六夜、か。」 十六夜の夜は、一人で酒を呑んだ。 十六夜の夜だけ…私は、私を忘れる。 ただの、女子になる。 晴信と会った夜が…十六夜だった、ただそれだけなのに。 自分が恐ろしい…だが、苦しくて仕方がない。 自分を嘲笑いながら、一人、縁側で手酌をしていた時だった。