でも、それは、どう控え目に考えても、動かしようのない事実でもある。 美奈は、女のあたしが見てもかっこいいくらい、いい女だ。 内面も、外側も。 それに比べて、あたしはただの、手足の長い少年体形で、口の重い、かわいくない女である。 誰の目にも、あたしは、完敗なのだ。 少し歩くと、だいたい透夜と合流する地点になる。 今日も絶妙なタイミングで透夜は現われる。 「おはよ」 にこっ。 あたしがどきどきしてその表情を見ているのを、唯一は面白がっている。 頭にくる。 唯一は恋愛感情が希薄なんだ。