「何だよ。
一生の別れじゃない。
そうだろう?」

「うん。」

頭では分かっている。
けど先生の想いが涙で
溢れ出して来た。

「笑美。」

剛志は私を抱きしめて
くれた。

双子だからそして、
兄妹だから、
剛志に恋愛感情は無い。

けど。
こんなに頼りになる
兄は何処にもいない。

「先生も辛いかも知れない。

笑美が泣いてばかりいると、
家に帰って親が心配する。

帰るまで涙は止めろ。
分かったな?」

「うん。」

剛志は私の手を持って
歩き始めた。

これでお別れじゃない。
また学校で会える。

それを剛志は、
私に強く教えたい事だと
違いない。