先生の家を出る日が
とうとうやって来た。

その日剛志だけ、
迎えに来てくれた。

「じゃあ。先生。
帰るね。」

「ああ。」

「毎日電話とメール
欠かさないよ。」

「当たり前だ。」

私と先生は玄関で
深いキスをした。

そして扉を開けて
ドアが閉まると、
ワッと涙が出てきた。

最後のお別れじゃ無いのに、
そんな感じがする。

1ヶ月の生活が
どれだけ楽しかったかを
思い知った。

下に行くと剛志が
待っていた。