靉苒が、ふぅぅぅ、とホッとしてため息を吐いた。




「危なかったのぉ。

寔禮の奴、ずっと、こっちのほうを探っておったわ!」




“辰巳の御神刀”が、寔禮が去ったのを見て、ぽつりと漏らす。




「うげぇ〜!?

ホントにぃ!?

ヤバかったな〜」




「それにしても、やはりお主は、巻き込まれる運命にあったようじゃのう。

よもや、花鵠國に使いに出されるとはの」




 その言葉に靉苒が、憮然とした表情になる。