配下の者の話では、ふらついていた吉虎丸が、ここで足を滑らせ、転落してしまった、ということだった。




 助かる見込みは、限りなく低いように思われた。




 今は、家臣達が捜索している。




 だが、この夜闇と雨では、思うようには、はかどるまい。




「“神隠すの勾玉”は見付かるでしょうか?」




 膩玖がそっと耳打ちする。