「平治さん・・・・・・。

気を落とさないでね」




 凪が、気遣わしげに慰める。




「ありがとうございます。

僕は、大丈夫です!

しっかりと、親父の跡を継いで、立派な鍛冶屋にならないと!」




 甚兵衛もニッコリ微笑む。




「そうだね!

平治さんならきっと立派な鍛冶屋になれるよ!」




 平治は、どこか疲れた様子で、どこか淋しそうではあったが、それでも微笑み、力強く頷いた。




「皆さんには、本当にお世話になりました。

一度、道を踏み外した僕に、もう一度やり直す機会を与えていただき、本当に感謝しています。

本当に、ありがとうございました!」




 平治がそう言って、土下座をするように深く頭を下げた。




「平治・・・・・・。

顔を上げな」




 断十郎が、優しい笑みを平治に向ける。




「平治、実はな・・・・・・。

平吾のとっつぁんからお前にって預かってたもんがあるんだ」




「え!?

親父から・・・・・・?」




 断十郎が、立ち上がる。




「平治、お前ぇもちょっと立て」




 平治は、怪訝そうにしながらも、断十郎の言う通り、立ち上がった。