甚兵衛がそれを素早くかわす。




 だが百葉が標的にしていたのは、甚兵衛だけではなかった。




 もう片方の腕で、屋敷の中に逃げ込んだ凪達を襲う。




 屋敷が半壊した。




 咄嗟に断十郎が凪をかばう。




 京允が悪態をついた。




「くそ!

俺まで巻き添えにするんじゃねえ!」




 そう吐き捨てながらも、瓦礫を掻き分けさっさと一人で逃げようとする。




 しかし、不意に、背後に気配を感じた。




 嫌な予感を覚えつつ振り返る。




「う・・・嘘だろ!?」




 そう呟いた直後、京允の体は百葉の一撃を受けて両断された。