大量の鼠達が群れ集う。




 やがて鼠達は、何かに群がるように重なり合い始めた。




 重なり合った鼠達が次第に百葉の姿を形作る。




 百葉の体のあちこちに、爛々と輝く赤い目があった。




 それが一つまた一つと瞼を閉じていく。




 両の目を残して、全ての目が閉じると、百葉が完成した。




 百葉が、ギリリと歯ぎしりをする。




「おのれぇぇ。

彝経九郎め!

よくも儂をコケにしてくれたなぁぁぁ。

この恨み、必ず晴らしてくれようぞ!」




 赤く目を輝かせながら、百葉が怨念を口にした。




 しかし、不意に笑い出した。




「キシッキシッキシシ。

儂の力はこんなもんではないぞ!

儂は、この城下のほとんどの住人を下僕にしておるのだ!

彝経九郎・・・・・・。

なぶり殺しにしてくれるわ!」




 百葉が、残酷な愉悦の笑いを浮かべた。