平吾は平治を案じたのだ。




 平治は強盗団の一味だ。




 それが家人達と一緒に居れば、どんな目にあうか分からない。




 それで、平吾は、出来るだけ、家人達から距離を置こうと考えたのだ。




 だが。




 そんな平吾達の下に家人達の中から、若い男が二人進み出てきた。




「さあ、あんたらも早く!

俺達が、肩を貸すから!」




 平治がびっくりしたように二人を見た。




 そして、深く頭を下げた。




「すいません・・・・・・。

恩にきます・・・・・・」




 平治の瞳から悔恨の涙が零れ落ちた。