そのことを突き付けられたような気がした。




 平治には逃げ場は無い。




 平治達の所業の犠牲になった幼い少女が、平治を化け物でも見る目つきで見ていた。




 ――違う!俺は、あいつらとは違うんだ!




 平治が心の中で叫ぶ。




 だがそれと同時に、所詮あいつらと同類だ、と自嘲気味に告げる声もあった。




 動揺するあまり、平治には隙が出来ていた。




 平治に刃を向ける店の主人が、決死の形相で突っ込んで来た。




 ハッとした平治が咄嗟にかわす。




 しかし、完全にはかわしきれず、平治は腕にかすり傷を負った。




「っつぅ!」




 思わず腕を押さえる。




 隙だらけの平治に、またもや主人が刃を向けた。




「さ、さっさと出て行け!

こ、これ以上、店を荒らされてたまるか!」




 店の主人は、恐怖と憎悪で血走った目を、平治に向ける。




 やばい!平治はそう思った。