(何が・・・・・・、そんなにおかしいんだ!)




 平治が、怒りを覚えながら、そんな二人を睨んだ。




「さあ京允。

病魔ばらまいてさっさとずらかろうぜ!」




 だが京允は、何事かを思案している。




「おい?

京允?」




 やがて、京允がニヤリと笑った。




 その顔を見て、平治は嫌な予感がした。




「チマチマとここに病魔をばらまくなんて七面倒くさいことはやめだ!」




 平治と正六がキョトンとする。




「コイツを井戸に撒きゃあ、手っ取り早いぜ!」




「なっ!?」




 平治には、正気とは思えない。




 だが正六は笑いながら賛成する。




「そいつぁいい!

手間が省けるな!」




(もう、金を盗むことが目的じゃなくなってんじゃねえかよ・・・・・・!?)




 金よりも、殺しを優先している京允達に、平治は目の前が真っ暗になる思いだった。