「平治!

これで覚悟が決まったろ!

今度からは、お前にも働いてもらわなけりゃあならないからな!」




 京允が、上機嫌で平治の肩を叩く。




(今度から・・・・・・働く?

働くって・・・・・・、殺しのことか?)




 急速に思考が鈍くなっていく。




 視界が、ぐにゃぐにゃと歪みだした。




 頭の中で、早鐘がガンガンと鳴っている。




 それが、人の話し声なのか、それともただの錯覚なのか、平治にはもはや分からなかった。




 なにやら、急に全てがどうでもよくなってきた。




 罪悪感というタガが外れ、心地好い開放感が生じてくる。




 平治の中で、暗く冷たい何かが、もぞりと蠢いた・・・・・・。