その時、小屋の外で物音がした。




 三人共、口論をやめ、体が凍り付いたようにピタッと動きを止めた。




 耳をそばだたせる。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




 気のせいか・・・・・・。




 そうホッとした時、ドンドンドンと小屋の戸が叩かれた。




 三人は、ギクッとして、思わず、呼吸すら止めてしまった。




 すると、もう一度、ドンドンドンと戸が叩かれた。




 三人が、互いの存在を確認しあうように、視線を交わし合った。




 平治の胸倉を掴んでいた京允が、そっと手を放す。




「平治、誰が来たか見て来い」




 平治に耳打ちした。




「俺が!?」




 平治は、目を見開いて小声で抗議する。




「お前が、だよ!

行けよ!」




 京允が、冷たく平治を見据える。




 京允の冷たい視線に抗いきれず、平治は、渋々、戸口まで進んで行った。




 そして、振り返り、京允の顔を確認する。




 気の進まない心情をあらわにし、京允の気変わりを期待したが、京允は無情にも、戸を開けるよう鋭い視線で命じた。