平治達は、アジトがわりに使っている山小屋でガタガタと震えていた。




 夜更けであったが、とても明かりを点ける気になれない。




 明かりを点ければ、藤内に見付かってしまいそうなそんな気がするのだ。




「おい・・・・・・、これからどうするよ?」




 正六が溜め息を吐く。




「どうするって、決まってんだろう!

俺達だけでやるしかねえ!」




 そう言う京允の顔も青ざめているだろう。




「でもよ・・・・・・、鉄燎が死んじまったんだぜ・・・・・・。

大丈夫なのかよ?」




 正六は、極力、面に出さないようにしているが、今夜の一件で相当怖じけづいているようだった。




「大丈夫って、何がだよ!

ああ?」




 京允が、正六を睨みつけた。




 平治も正六と同じだった。




 と言うよりも、ずいぶん前から、強盗の仲間をしている自分に違和感を覚えるようになっていたのだ。




「なあ・・・・・・。

いっそのこと、もう辞めないか?

今ならまだバレてないじゃないか!

辞めるなら――」




「馬鹿野郎!

ここまで来て今さら何言ってやがんだ!

もうあとには退けねえんだよ!

俺達だけでやるしかねえんだ!」




 京允がそう怒鳴りつけ、平治の胸倉を掴む。