「仕事よ・・・・・・。

花鶏。

貴女の異能を使ってもらうわ」




 鏘緋が、冷酷な笑みを浮かべて言った。




 花鶏の顔が苦痛に歪んだ。




 だがそれはホンの一瞬だけで、すぐに表情を消す。




 その顔は、見る者が凍てつきそうな程、冷え冷えしていた。




 けれどもそれは、花鶏が苦悩に堪えている表情に他ならなかった。




 絶望を必死で抑え込んでいる表情だった。




 花鶏は、自らの“業”を恨めしく思っていた。




 それはもはや、呪っていると言ってもよい。




 花鶏は、御使いだったのだ。




 しかし、その異能は、人々に災厄を呼ぶものだった。