だが、凪のその想いは、常に裏切られてきた。




 だから、凪は諦めた。




 それは、“生”を放棄するにも等しいことだった。




 しかし、この夜は事情が違った。




 凪の下に、救いの手が差し延べられたのだ!




 およそ、この場にそぐわない、涼やかなる声と共に。




「おや?

強盗さん達。

とりあえず、今すぐに仕事を止めて、大人しくしていただければ、大変有り難いんですが」




 その場違いな声に、強盗団と凪がハッとする。




 凪が見た視線の先・・・・・・。




 その闇の中に、細身のシルエットがあった。