「そうですか・・・・・・。

ありがとうございました」




「あんたも気をつけな!

あの一味からは、どうも嫌な気配がしてやがる!」




 甚兵衛は、ニッコリと爽やかに微笑むと、その場をあとにした。




「なんとも変わった男だな・・・・・・。

弱々しく見えるのに、アホみてえに強え!

底が全く見えやしねえ!

あんな男とは、やり合わねえにかぎるぜ・・・・・・。

ひょっとしたら、異能の持ち主かもな・・・・・・」




 去って行く甚兵衛の後ろ姿を見ながら、鬼兵がぽつりと呟いた。