「さぁて、どうすっかなあ・・・・・・。

別に直接、俺らと揉めてるわけじゃあねえし・・・・・・」




「だったら、ここは引いておきなさい」




 鬼兵が、甚兵衛を不思議そうに見る。




 甚兵衛からは、ただならぬ雰囲気が漂っていた。




 有無を言わさぬ雰囲気の甚兵衛に、鬼兵は素直に頷いた。




 修羅場をそれなりに潜ってきた鬼兵は、さすがに何か良からぬものを感じたようだ。




「ああ、じゃあそうするか・・・・・・。

でも、あんたは何かやるってえ風情だな!

だったら、もう一つ情報を教えとくぜ・・・・・・。

今夜、《葵屋》ってえ店に行ってみな!

そこに、奴ら、押し込むらしいぜ!」