当麻 甚兵衛は、断十郎の依頼を受けて平治の捜索をしていた。




 情報屋をしている建具屋から話を聞いたあと、そこで得た情報を頼りに、町外れの閑散とした一帯までやって来た。




 小さな寂れた神社まで来た時だ。




 5、6人の男達が、脇の茂みから出て来た。




「てめえか?

ここいらをウロチョロと嗅ぎ回ってやがる男ってえのは!」




 煙管(キセル)を口にしたリーダー格らしい男が進み出てきて、甚兵衛を恫喝するように凄んだ。




 男達は皆が、何らかの武器を持っている。




 ごくごく普通の町人風で、かつ、優男の甚兵衛に、男達は強気の様子だ。