余程、警戒心が強いのだろう。




 それも、無理はない。




(まともな人間なら、俺達に無防備で近付いたりはしないさ!)




 平治は、自らを嘲るように、そう思った。




 平治が、戸口の脇に置いてあるカゴを取る。




 そして、それを男の近くまで持って行こうとした。




「そこに、置いといてくれ」




 くぐもった声で、男が指示した。




 やはり、近付かれるのを嫌っているのだ。




 平治は、言われた通り、小屋のすぐ外に置いた。