「ああ!

そのことですか!」




 二人共、断十郎が評判を聞き、薬を求めにやって来たと思ったようだ。




 しかし、すぐに二人の顔が曇る。




「どうかしたのかい?」




「いえ、それが・・・・・・。

その薬師さんが、山に薬草を採りに行ったっきり、まだ戻って来んのです」




 二人が心配そうな顔をして言う。




「何かあったらいかんので、我々も人を出して、捜しに行ったほうがいいんでしょうか?」




 断十郎が、しばし考える。