庄屋が、薬師の身を案じる。




 しかし、薬師は、笑顔を浮かべたまま、首を横に振った。




「いやぁ、急いで作らんと間に合わんのです。

もし、病人がおるなら、放っておくわけにもいかんですしな。

獣が嫌う香があるんで、まあ大丈夫でしょう。

こういうことには慣れておるんですよ。

私は夜目も効きますし」




 薬師が、そう言っても、庄屋の心配は拭えないようだ。