すまねえな、と言う断十郎に、軽く会釈をすると、甚兵衛は、その場をあとにした。




 断十郎は、閉め切られた鍛冶場を見た。




 中で一人で寝込んでいる初老の男の身を案じた。




 そして、その後継者となるはずの男の姿を思い浮かべる。




「平治・・・・・・。

おめえ、こんなとっつぁんをほったらかしにして、いいのかよ」




 ポツリと呟く。




 それと同時に、微かに眉間に皺を寄せた。