甚兵衛は、忍なのだ。




 断十郎は、城代の重元から、少々特殊な任務を任されている。




 それを知る者は、ごく僅かだった。




 それ程、特殊な任務なのだが、その任務を断十郎は、異能な才を持つ者何人かにも手伝ってもらっていたのだ。




 その一人が、甚兵衛なのだった。




「甚兵衛・・・・・・。

少し、頼まれてくんねえか?」