この前会った時よりやつれている、と断十郎は感じた。




「平吾(ヒョウゴ)のとっつぁん、具合でも悪いのかい?」




「断十郎の旦那か・・・・・・。

なぁに、大丈夫だ。

ちょっと、夏風邪を引いただけだ。


すぐに良くなる」




 平吾は、煩わしそうに言った。