鍛冶場は、火が入っておらず、ひんやりしている。




 最近は使われていないのか、と断十郎は、さらに訝しく思った。




 断十郎が声を掛けると、奥の障子の向こうから、咳込む声が聞こえた。




 狭い家なので、障子のすぐ向こうが、家人の住居だ。




 すぐに障子が開けられ、初老の男が、咳込みながら出て来た。