「俺、秋(しゅう)が居て良かったよ」 そう言ってコイツが俺に笑ってみせたのは、もう何度目だろう。 親友だから惚れたのか、惚れたから親友になったのか……もう思い出せない。 まさか自分がこんな、危ない橋を渡るなんて夢にも思ってみなかった。 こんな……生糸で出来たような脆い橋に。 でも一個だけ確かなコト。 俺が男に恋をするのは、最初で最後。 きっと、心から愛おしいと想える男はコイツだけ。