かさぶたと絆創膏


何が起きているのかわからず、キョトンと立ち尽くす青に、



「雪のコトなら何でも知ってるよ。一緒に寝てたらすぐに俺にすり寄ってくる可愛い寝顔とか、拗ねたらクッションに顔を埋める可愛い癖があるとか、色白な背中に小さい火傷の跡が……」


「しゅ、秋さん! もうお兄ちゃんもわかってますから! ねっ?」



サラサラと流暢にノロケる秋を、真っ赤になった雪が腕を伸ばして慌てて止めに入っている。



目の前でイチャつく親友と妹に、鈍い青の脳みそもようやく状況を飲み込んだのか、



「わ、わかるワケねーだろー!! なんで秋と雪が付き合ってるんだよ!!」



途端にスイッチが入ったかのように喚き始めるから大変。



行き交う数人の人々が青を訝しげに見ては眉を顰めている。



「青が虹ちゃんの看病に行ったっきり帰って来ないからだよ。その間に俺が雪をそそのかしたの」



「秋なら大丈夫って信じてたのにー!!」



青の雄叫びが木霊するホテルのカフェの前では、


「……バカね」



勿論全てを知っていた虹が、結婚式で使う為に携帯の動画撮影で一部始終をおさめているのだった。




*青の受難 終*