「…怪し~」


「怪しくねぇの!言わせるなよなー、彼女いないとか。寂しい男じゃん、オレ」


「いい顔してんのに、太久がモテないのはー…。イマイチ押しが足りねぇから?

女はグイグイ押しの強い男に弱いから。あ、ギャップも大切。押して引いて、押して引いて?」


ニヤリと笑う一歩に、苦笑するオレ。


「オレ、緊張しーだから無理だな。引いて引いて引いて…、うわぁっ」


つられて喋るオレの前を、見た事あるやつが通り過ぎた。


彼女は振り返り、オレにいつものようにフワリと笑う。