9月24日 7:13



いつもとは違う朝を私は迎えていた。



カーテンも開けず、真っ暗な部屋の隅に私はいる。

9月後半にもなると、蒸し暑かった夏とは違い朝は涼しかった。

風が吹くたびに、カーテンが揺れてその隙間から覗く
日の光が眩しくて私は目を細める。
それから自分の服を強く握りしめた。



「優ー!!起きてるんでしょ!!」


1階からお母さんの大きな声が聞こえてきた。

私は、そんなの気にもせずベットに入って蹲った。


気が付くと、お母さんの足音が段々近づいてきて
私の部屋の前で止まった。



「学校なんか行きたくないよ・・・」


私は今にでも消えてしまいそうな声でそう呟いた。



ドン ドン ドン



「優!!部屋の鍵を開けなさいッ!!」


お母さんがドアを叩きながらそう言った。














お母さんって自分の事しか考えてない。



私が中1だった時、お父さんと離婚したのだって
お母さんのワガママだった。

その時だって、お父さんと私の言う事なんかまったく聞こうとしなかったでしょ?


お母さんが悪いんだから。

私の事、何も考えてくれないー・・・




学校に行きたくないのだって、ちゃんと理由があるんだよ。


お母さんが聞きたくないだけでしょう?
いつも本当の事を知るのが怖くて、逃げてるだけじゃん。




ドン ドン ドン


お母さんのドアを叩く音は、小さくなるどころか
だんだん大きくなって来た。


ガチャ ガチャ  ガチャ



ドアノブが無理やり回されているのがわかる。


「優の部屋に鍵なんかつけなきゃ良かった!!」


ドアの向こうからお母さんの独り言が聞こえてきた。



今さら後悔したって遅いのにー・・・ね。






ガチャ





音と共に、部屋のドアが静かに開いたー・・・



「・・・扉くらい・・・自分で開けられるよ。お母さん」



布団から出て自らドアを開けるとお母さんにそう言った。