感じパズル

そんな時、あいつは急にあたしの漢字パズルの紙を取り、


徐に何かを書いた。


『ん。』


『え、あありがとう。』


それを渡すとあいつは『トイレに行ってきま~す。』とどこかへ行ってしまった。



あたしは瞳を潤ませながらもその紙を見た。








     好きだ。
     意




さっきまで漢字しか書いてなかった所に、


ひらがなが書いてあった。


『!!!!????』


もしかして、



さっき言ってた人って、


あたしだったの?



不思議ながらもあいつの瞳の中にそうやってあたしが写ってたとは思わなかった。



そしてあたしは徐に鉛筆を取りだし、


 あたしも好きだ。
     意



あとひらがなを四文字足した。



ガラガラとあいつがドアを開けた音が聞こえる。


早く戻ってきてよね。


そしたら飛びっきりの国語辞典で叩いてあげる。



あたしを悲しませた天罰で、ね?


finish