拓海くんの体温が指先から伝わる。

柔らかい、心地良い温かさ。

付き合って1年経ったけど、こんな些細な事で顔が赤くなる。

拓海くんはいつまでも。

私をドキドキさせてくれる。



「ボーッとして電車とホームの間に足を入れて転ばないでよ!!」

私が改札に入って拓海くんが叫ぶ。

慌てて振り返って

「転ばないよ!!」

そう言うと拓海くんは優しく微笑んで手を振っていた。

私も手を振り返してからホームへ続く階段を駆け登った。